📖 この記事を読むとわかること
- メルシーポット・シュポット・ちぼじ、結局どれが一番吸える?
- 「据え置き電動」が最強な理由と、選ぶ決め手
- 鼻水を吸うと中耳炎の予防・悪化防止になるって本当?
- 鼻づまり→口呼吸が、顔つき・歯並びまで変えてしまう話
- いつから・どんなときに使えばいい?
「鼻水ズルズルなのに、うちの子まだ鼻をかめない…」「鼻吸い器ってメルシーポット?シュポット?ちぼじ?どれが一番吸えるの?」——赤ちゃんの鼻水って、本当に困りますよね。放っておくと機嫌も悪いし、夜も眠れないし、中耳炎も心配。
薬剤師ママが、鼻吸い器の選び方を比較データと医学的な根拠でまとめました。結論から言うと、「据え置き型の電動鼻吸い器」が一番パワフルで実用的。そしてこまめな鼻吸いは、中耳炎の悪化防止や、口呼吸による“顔つき・歯並びの変化”を防ぐことにもつながります。ここが意外と知られていない大事なポイントです。
結論:一番吸えるのは「据え置き型の電動」
鼻吸い器は大きく3タイプ。吸引力で選ぶなら、コンセントにつなぐ「据え置き型の電動」(メルシーポット・シュポットなど)が圧勝です。
| タイプ | 吸引力 | 特徴 |
|---|---|---|
| 据え置き電動 (メルシーポット/シュポット) | ◎ 最強 | パワフルで奥の鼻水もしっかり。ワンオペでも片手で吸える |
| 手動ポンプ (ちぼじ など) | ○ 意外と高い | よく取れる・静か・安い。ただし両手がふさがる |
| 口で吸うタイプ (ママ鼻水トッテ 等) | △ 弱め | 安価で携帯に便利。親に風邪がうつることも |
メルシーポット vs シュポット|違いは「吸引力」より「お手入れ」
据え置き電動の二大人気が、メルシーポット(シースター)とシュポット(ピジョン)。「どっちが吸える?」とよく聞かれますが、吸引力そのものは、正直どちらも十分パワフルで大きな差はありません(音の大きさも大差なし)。
では何で選ぶか。決め手は「お手入れのしやすさ」です。毎日、時には1日何度も使うものなので、洗うパーツが少なく手入れがラクなほうが、結局ずっと使い続けられます。
| メルシーポット | シュポット(ピジョン) | |
|---|---|---|
| 吸引力 | ◎ 十分パワフル | ◎ 十分パワフル |
| お手入れ | ○ 定番で情報が多い | ◎ パーツが洗いやすい設計 |
| 価格 | ◎ 安く買いやすい | ○ やや高め |
| 向いている人 | コスパ重視・定番が安心 | 洗う手間を減らしたい |
まとめると——コスパと定番の安心感ならメルシーポット、とにかくお手入れをラクにしたいならシュポット。吸引力はどちらも文句なし。ちぼじは「手動で電源いらず・静か・安い」けれど、両手がふさがるので、暴れる赤ちゃんをワンオペで吸うのは大変。総合力では据え置き電動がおすすめです。
▼ わが家の相棒がこのメルシーポット。吸引力パワフルで、鼻風邪シーズンの必需品。コスパもよく、迷ったらまずコレで間違いありません。
💨 鼻づまり由来の夜の咳に|メルシーポット(電動鼻吸い器)
鼻水がのどに落ちると、横になったときに夜の咳の引き金になります。就寝前にしっかり鼻を吸っておくと、夜の咳や寝苦しさがラクに。医師推奨の電動タイプなら、奥のネバネバ鼻水もスッキリ吸えます。新生児から使えます。
▼ お手入れのラクさで選ぶならシュポット(ピジョン)。吸引力はメルシーポットと同等にパワフルで、洗うパーツが少なく毎日の手間を減らせます。0ヵ月頃から使えます。
なぜ鼻吸いが大事?①中耳炎の悪化を防ぐ
赤ちゃんは自分で鼻をかめません。たまった鼻水は、鼻の奥から耳へつながる管(耳管)を通じて中耳に流れ込み、中耳炎の原因になりやすいのです。赤ちゃんの耳管は大人より短く水平なので、なおさら鼻水の影響を受けやすい構造をしています。
だからこそ、こまめに鼻水を吸ってあげることは、中耳炎や副鼻腔炎の悪化を防ぎ、症状をやわらげるのに役立ちます。「鼻水くらい」と侮らず、鼻づまりがつらそうなときは吸ってあげましょう。
※注意:鼻吸いは「中耳炎を100%防ぐ魔法」ではありません。あくまで症状の緩和・悪化予防のサポートです。耳を痛がる・発熱・機嫌がずっと悪いときは、早めに小児科・耳鼻科を受診してください。
なぜ鼻吸いが大事?②口呼吸を防ぐ=顔つき・歯並びを守る
ここが、意外と見落とされがちな超重要ポイントです。鼻がつまると、赤ちゃんは口で呼吸するしかなくなります。そしてこの「口呼吸」が習慣になると、顔つきや歯並びにまで影響することがわかっています。
口呼吸が続くと、口まわりの筋肉が育たず、上あご・下あごの成長バランスが崩れます。その結果、次のような変化が起こりやすくなります。
- いわゆる「アデノイド顔貌」(口がぽかんと開き、下あごが小さく、面長な印象に)
- 出っ歯・歯並びの乱れ(あごが十分に育たず、歯が並ぶスペースが足りない)
- 口の中が乾いて虫歯リスク増(唾液の自浄作用が低下)
- 発音・滑舌への影響
⚠️ 骨格の変化は「成長後」では戻せない
口呼吸による顔つき・あごの変化は成長期に骨格ごと進むため、大人になってからでは元に戻すのが難しくなります。だからこそ小さいうちに鼻を通して「鼻呼吸」を守ってあげることが大切。鼻吸いは、その日その日の鼻づまりを取るだけでなく、将来の顔つき・歯並びを守るケアでもあるんです。
※ただし、鼻づまりや口呼吸の背景にアデノイド肥大・アレルギー性鼻炎などが隠れていることもあります。いつも口が開いている・いびきがひどい・鼻づまりが長く続く場合は、耳鼻科で相談を。お口まわりの発達については口育(こういく)の記事もあわせてどうぞ。
いつから自分で鼻をかめる?何歳まで鼻吸いが必要?
「鼻吸い器って、いつまで使うの?」という疑問にお答えします。ポイントは、自分で鼻をかめるようになるまでは、大人が手伝ってあげるということ。その時期には、けっこう個人差があります。
| 時期 | 鼻かみの目安 |
|---|---|
| 〜1歳半ごろ | 自分ではかめない。鼻吸い器で大人が手伝う |
| 1歳半〜2歳ごろ | 言葉やまねができ始め、「鼻かみ練習」をスタートできる時期 |
| 3〜4歳ごろ | 「フン」とかめる子も増えるが、まだ上手にできない子も多い |
| 5歳ごろ | 「きちんとかめるか」のひとつの目安。ただし個人差が大きい |
まとめると——鼻かみの練習は1歳半〜2歳ごろから始められ、5歳できちんとかめるかがひとつの目安。それまでは鼻吸い器の出番です。5歳を過ぎても上手にかめない子は珍しくないので、「まだできない」と焦らなくて大丈夫。自分でかめるようになっても、取り切れないときは鼻吸い器を併用してOKです。
自分で鼻をかむ練習のコツ
- 「鼻から息を出す」を目で見せる:片鼻を押さえ、ティッシュを鼻息で飛ばす遊びに。親子で飛ばしっこ競争すると楽しく身につきます
- 必ず「片鼻ずつ」:両鼻を同時に強くかむと、耳(鼓膜)に負担がかかることがあります。片方の穴を押さえて、片方ずつやさしく
- 強くかみすぎない:ゆっくり「フン」で十分。できたらたくさん褒めて
- できなくてもOK:うまくいかない日は、無理せず鼻吸い器に頼りましょう
いつから・どんなときに使う?
- 新生児期から使えます(月齢に合った細いノズルを使用)
- 鼻がズルズル・ぐずって眠れない・母乳やミルクが飲みにくそうなとき
- お風呂上がりや授乳前は、鼻水がゆるんで吸いやすいタイミング
- 一度に長く吸いすぎず、短時間で・こまめに
強く吸いすぎたり、同じ場所を長く続けると粘膜を傷つけることがあります。「短く・やさしく・こまめに」が基本です。
薬剤師ママの結論
① 一番吸えるのは「据え置き型の電動」。メルシーポットかシュポットを選べば間違いなし。
② 吸引力の差はほぼなし。決め手は”お手入れ”。コスパ=メルシーポット/手入れのラクさ=シュポット。
③ こまめな鼻吸いは中耳炎の悪化予防に。赤ちゃんは鼻をかめないから、大人が手伝う。
④ 何より、鼻呼吸を守ることが将来の顔つき・歯並びを守る。「たかが鼻水」ではありません。
よくある質問(Q&A)
Q. 手動のちぼじでも大丈夫?
A. 吸引力は高評価で、静か・電源不要・安いのが魅力です。ただし両手がふさがるので、動き回る赤ちゃんをひとりで吸うのは大変。サブや外出用には◎。
Q. 口で吸うタイプではダメ?
A. 手軽で安いですが、吸引力が弱めで、親に風邪がうつることも。据え置き電動が1台あると、風邪シーズンがぐっとラクになります。
Q. 毎日吸っても大丈夫?
A. 「短く・やさしく・こまめに」を守れば毎日でもOK。強く吸いすぎ・長時間の連続だけ避けてください。
▼ 電源不要で静か・お手頃なちぼじ(知母時)は、手動ながら吸引力は高評価。帰省や旅行などの外出用サブ機や、「まずは手動から試したい」方にぴったりです。
参考文献
- 日本耳鼻咽喉科学会・小児科領域における鼻吸引と中耳炎に関する一般的知見
- 口呼吸・アデノイド顔貌と顎顔面発達に関する歯科・矯正領域の解説
- 各鼻吸い器(メルシーポット/シュポット/知母時)の吸引力・使用性比較レビュー
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。鼻づまり・中耳炎・口呼吸が気になる場合は、小児科・耳鼻科・小児歯科にご相談ください。
あわせて読みたい
- 口育(こういく)とは?|薬剤師ママが教える家庭でできるお口の機能の育て方
- 足育(あしいく)とは?|ハイハイ・靴選び・歩く力の育て方
- RSウイルスとは?流行時期・症状・入院リスク・妊娠中ワクチン
- 子どもの夜の咳、どうしたらいい?原因・対処法と民間療法
- ヒトメタニューモウイルス(hMPV)とは?大人もしんどい症状・検査
📗 著書のお知らせ
0〜6歳の発熱・咳・発疹・感染症、受診の目安と家でできるケアを1冊にまとめました。
『子どもの薬と病気の教科書』
薬剤師歴11年・小児科門前薬局勤務のママが書きました。


コメント