この記事でわかること
・赤ちゃんの便秘で病院に行くべきサイン
・家庭でできる5つの便秘対処法(マッサージ・綿棒浣腸・水分補給・食事・市販薬)
・月齢別の水分補給の目安
・薬剤師目線で選ぶ市販の浣腸・整腸剤
「もう3日もうんちが出てない…」「お腹がパンパンで苦しそう」——赤ちゃんの便秘、親としては本当に心配ですよね。
私は薬剤師として10年以上働きながら、自分の子どもの便秘にも何度も向き合ってきました。この記事では、薬剤師ママの視点から、家庭でできる赤ちゃんの便秘対処法を5つご紹介します。
まず確認!病院に行くべきサイン
家庭でのケアを試す前に、以下のサインがある場合はすぐに小児科を受診してください。
- 3日以上排便がなく、お腹が張って苦しそう
- 血便が出ている(肛門の切れによる少量の血は除く)
- 排便時に激しく泣く、顔色が悪い
- 嘔吐を繰り返す
- 母乳・ミルクの飲みが明らかに減っている
上記に当てはまらない場合は、これから紹介する家庭でのケアを試してみましょう。
対処法①「の」の字マッサージ

最も手軽で、すぐに試せる方法です。
やり方
- 赤ちゃんを仰向けに寝かせる
- 手のひらを温めてから、おへそを中心に時計回りに「の」の字を描くようにマッサージ
- 1回あたり5〜10周、やさしくゆっくり
- お風呂上がりなど体が温まっているタイミングがベスト
ポイント:力を入れすぎないこと。指先ではなく、手のひら全体でやさしく撫でるイメージです。大腸の走行に沿った「時計回り」がポイントで、腸の蠕動運動を助けます。
対処法②綿棒浣腸
マッサージで出ない場合に試したい方法です。即効性が高く、小児科でもよく指導される方法です。
用意するもの
- 大人用綿棒(ベビー用は細すぎるのでNG)
- ベビーオイルまたはワセリン
- おむつ替えシート(汚れ防止)
やり方
- 綿棒の先にベビーオイルをたっぷり塗る
- 赤ちゃんの両足を持ち上げ、肛門に綿棒の先(綿の部分)を1〜2cmゆっくり挿入
- 円を描くように10〜20秒ほどやさしく刺激する
- 綿棒を抜いて、しばらく様子を見る
注意点:
- 挿入は綿の部分(1〜2cm)まで。それ以上は入れない
- 出血した場合はすぐに中止
- 1日に何度も繰り返さない(1日1〜2回まで)
- 綿棒浣腸で癖になることは医学的にはないとされています
対処法③水分補給を見直す
便秘の原因として意外と多いのが水分不足です。特に離乳食が始まると、母乳やミルクの量が減り、便が硬くなりがちです。
月齢別・水分補給の目安
| 月齢 | 水分補給のポイント |
|---|---|
| 0〜5か月 | 母乳・ミルクで十分。追加の水分は基本不要 |
| 6〜8か月 | 離乳食開始後は白湯・麦茶を少量ずつ(1回30〜50mL程度) |
| 9〜11か月 | 食後に白湯・麦茶を。1日トータル100〜200mL目安 |
| 1歳以降 | こまめに水分補給。1日200〜400mL目安(食事の水分を除く) |
ポイント:ジュースは糖分が多く下痢の原因にもなるので、基本は白湯か麦茶がおすすめです。
対処法④食事の見直し(離乳食期以降)

離乳食が始まっている場合は、食物繊維と発酵食品を意識的に取り入れましょう。
便秘に効く食材リスト
| 食材 | ポイント |
|---|---|
| さつまいも | 食物繊維が豊富。ペースト状にして離乳食初期からOK |
| バナナ | オリゴ糖を含み、善玉菌のエサになる |
| ヨーグルト | 乳酸菌で腸内環境を整える(7か月頃〜) |
| オートミール | 水溶性食物繊維が豊富。おかゆに混ぜて |
| りんご | ペクチン(水溶性食物繊維)が豊富。すりおろして |
| プルーン | ソルビトールが便を柔らかくする。ペーストを少量ずつ |
逆に控えたい食材:にんじん・白米など、便を硬くしやすい食材は便秘時には量を減らすのも一つの方法です。
対処法⑤市販の浣腸・整腸剤を使う

マッサージや綿棒浣腸でも改善しない場合は、市販薬も選択肢になります。薬剤師として、赤ちゃんに使える市販薬をまとめました。
| 商品名 | 種類 | 対象年齢 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| イチジク浣腸10 | 浣腸 | 1歳未満〜 | グリセリン浣腸。即効性あり。1歳未満は半量使用 |
| ビオフェルミンR錠 | 整腸剤 | 3か月〜 | ビフィズス菌配合。粉砕してミルクに混ぜてOK |
| 新ビオフェルミンS細粒 | 整腸剤 | 3か月〜 | 乳酸菌3種配合。細粒タイプで赤ちゃんにも飲ませやすい |
| マルツエキス | 緩下剤 | 1か月〜 | 麦芽糖の浸透圧で便を柔らかくする。穏やかな効き目 |
注意:市販薬を使う前に、できれば一度かかりつけの小児科に相談するのが安心です。特にイチジク浣腸は1歳未満の場合、使用量に注意が必要です。
便秘かな?と思ったときのフローチャート
どの対処法から試すか迷ったら、以下の順番で進めてみてください。
- 受診サインの確認 → 該当したら小児科へ
- 「の」の字マッサージ → まずはここから
- 綿棒浣腸 → マッサージで出なければ
- 水分・食事の見直し → 日常的な予防として
- 市販薬 → 上記で改善しなければ検討
- 小児科受診 → 3日以上改善しない場合
よくある質問(Q&A)
Q. 綿棒浣腸は癖になりませんか?
A. なりません。「癖になる」と心配される方が多いですが、医学的にはそのようなエビデンスはありません。むしろ便を溜め続けるほうが直腸が広がり、便意を感じにくくなる悪循環に陥る可能性があります。出してあげることが大切です。
Q. 何日うんちが出なければ便秘ですか?
A. 回数だけでは判断できません。赤ちゃんの排便ペースには個人差があり、2〜3日に1回でも機嫌がよく、柔らかい便が出ていれば問題ありません。逆に毎日出ていても、硬くていきんで苦しそうなら便秘の可能性があります。「便の硬さ」と「赤ちゃんの様子」で判断しましょう。
Q. 赤ちゃんの便秘にオリーブオイルは効きますか?
A. 離乳食に少量加えるのは一つの方法です。オリーブオイルに含まれるオレイン酸は腸を刺激し、便の滑りをよくする効果が期待できます。離乳食中期以降であれば、おかゆやスープに小さじ1/4〜1/2程度を混ぜて試してみてください。
まとめ
赤ちゃんの便秘は多くの場合、家庭でのケアで改善できます。
- まずは「の」の字マッサージから
- 出なければ綿棒浣腸を試す
- 水分と食事を日頃から意識する
- それでもダメなら市販薬も選択肢に
- 受診サインがあればすぐ病院へ
薬剤師としてお伝えしたいのは、「便秘で困ったら、まず出してあげること」が一番大切だということ。癖になるからと我慢させる必要はありません。
この記事がお子さんの便秘に悩むママ・パパのお役に立てれば嬉しいです。

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