「熱が38度を超えた!すぐ解熱剤を使ったほうがいい?」「座薬と飲み薬、どっちがいいの?」——子どもが熱を出すと、解熱剤を使うかどうかで毎回迷いますよね。
わが家の子どもも熱を出すたびに、私は体温計とにらめっこ。薬剤師なのに「今使うべき?もう少し待つ?」と手が止まることがよくありました。
この記事では、薬剤師ママの視点で、子どもの解熱剤の正しい使い方を根拠に基づいてまとめました。「何度から」「何時間あけて」「座薬と飲み薬の使い分け」まで、迷ったときにサッと確認できる内容です。
💡 この記事でわかること
- 解熱剤は「熱を下げて治す薬」ではないという大前提
- 解熱剤を使う本当のタイミング(38.5度は絶対ではない)
- 使う間隔(最低何時間あける?1日何回まで?)
- 座薬と飲み薬の使い分け・併用してよいか
- 市販薬で気をつけたい成分(アスピリンに注意)
⏱️ すぐ知りたい方へ|3つのポイント
- 何度から? → 目安は38.5度以上、ただし38度台でもつらそうなら使ってOK
- 何時間あける? → 最低4〜6時間。効果は30分〜1時間で出始める
- 1日何回まで? → 1日3回までが目安。アンヒバ座薬もカロナールも同じ
大前提|解熱剤は「熱を下げて治す薬」ではない
まず知っておきたいのは、解熱剤は病気そのものを治す薬ではないということ。発熱は、体がウイルスや細菌と戦っている証拠で、熱があること自体が体を守る反応でもあります。
解熱剤の役割は、つらさを和らげて、子どもを少し楽にしてあげること。熱で機嫌が悪くて眠れない・水分が取れないときに一時的に熱を下げ、その間に休んだり水分を取ったりできるようにするのが目的です。「熱を下げること」がゴールではなく、「楽に過ごせること」がゴールだと考えると、使うかどうかの判断がぐっとラクになります。
解熱剤は何度から使う?|「38.5度」は絶対ではない

「38.5度を超えたら解熱剤」とよく言われますが、実はこの数字は薬の説明書(添付文書)に書かれた絶対のルールではありません。あくまで一つの目安です。
大事なのは数字より「子どもがつらそうかどうか」。同じ38.5度でも、ぐったりして水分も取れない子もいれば、元気に遊んでいる子もいます。判断の目安は次のとおりです。
| 子どもの様子 | 解熱剤の判断 |
|---|---|
| 熱は高いが、機嫌よく遊べる・眠れている・水分が取れる | 急いで使わなくてOK |
| つらそう・グズグズして眠れない・水分が取れない | 使ってあげるとよい |
目安としては「38度以上あって、しんどそう」なら使ってあげる、というイメージで大丈夫です。
ちなみに、子どもの熱はすばやく正確に測れる体温計があると安心です。わが家では、わきで約15秒で測れる予測式のオムロン「けんおんくん」を使っています。ぐずる子どもでも短時間で測れるのが助かります。
使う間隔は?|最低4〜6時間あける
子ども用の解熱剤の主役はアセトアミノフェンという成分です。使う間隔の目安は次のとおり。
- 次に使うときは最低4〜6時間あける
- 1日3回程度までを目安に(何度も使うときは医師・薬剤師に相談)
注意したいのが、「シロップを飲んでも下がらないから、すぐ座薬も追加」はNGということ。アセトアミノフェンは飲み薬も座薬も同じ成分なので、短い間隔で重ねて使うと量が多くなりすぎてしまいます。下がらなくても、次に使うまで時間をあけましょう。
座薬と飲み薬、どっちを使う?使い分け
カロナールなどの飲み薬、アンヒバ・アルピニーなどの座薬、どちらも中身は同じアセトアミノフェンです。アンヒバ座薬は小児科で最もよく処方される解熱剤の一つ。効果に大きな差はないので、その時に使いやすいほうを選べばOK。シーン別の目安はこちらです。
| こんなとき | おすすめ |
|---|---|
| 薬を飲むのを嫌がる・吐き気がある・寝ている | 座薬 |
| 起きていて、薬を飲める | 飲み薬(効き始めはやや早め) |
座薬を入れたあと、すぐ出てきたら?
- 入れて数分以内に、固形のまま出てきた → もう1個入れ直してOK
- 溶けて液状になって出てきた・時間が経っている → 吸収されているので入れ直さない
また、座薬をハサミで切って量を調整するのは避けましょう。切ると成分が均一でなくなり、量が不正確になります。処方された1個をそのまま使うのが基本です(量の調整は医師の指示に従ってください)。
市販薬で気をつけたい成分|アスピリンはNG
薬剤師として強くお伝えしたいのが、子どもに「アスピリン(アセチルサリチル酸)」は使わないということ。インフルエンザや水ぼうそうのときにアスピリンを使うと、「ライ症候群」という重い合併症のリスクがあるため、15歳未満では原則使いません。
大人用の解熱鎮痛薬や総合感冒薬には、子どもに向かない成分が入っていることがあります。大人の薬を子どもに分けて飲ませるのは絶対にやめてください。子どもには、小児用に処方されたアセトアミノフェンが最も安全です。イブプロフェン(ブルフェンなど)も使われますが、自己判断ではなく医師の指示で使うのが安心です。
よくある疑問Q&A
Q. アンヒバ座薬は1日何回まで使える?
1日3回までが目安です。アンヒバもカロナールも同じアセトアミノフェンなので、使用回数の目安は同じ。必ず4〜6時間以上の間隔をあけて使ってください。
Q. 38度で座薬を使うべき?
38度台前半でも、お子さんがぐったり・水分がとれない・眠れないなら使ってOKです。逆に38.5度を超えていても元気に遊んでいるなら、無理に使わなくても大丈夫。「体温計の数字」より「お子さんの様子」で判断しましょう。
Q. 解熱剤を使えば熱性けいれんは防げる?
いいえ、解熱剤で熱性けいれんを予防することはできません。けいれんを起こしたことがあるお子さんでも解熱剤自体は使えますが、使い方はかかりつけ医とよく相談してください。
Q. 解熱剤を使っても熱が下がらない…
解熱剤で下がるのは1〜1.5度程度が普通で、平熱まで下がらないこともよくあります。下がりきらなくても、少し機嫌がよくなって水分が取れればOK。完全に下げることを目標にしなくて大丈夫です。
Q. 冷えピタ(冷却シート)は効果ある?
冷却シートに熱を下げる効果はほとんどありません。気持ちよさで楽になる子もいますが、嫌がるなら無理に使わなくてOK。特に赤ちゃんは、はがれて口や鼻をふさぐ窒息のリスクがあるので、貼ったまま目を離さないでください。脇の下や首を冷やすほうが効果的です。
首や脇を冷やすなら、子どもでも使いやすいやわらかい水まくら(氷枕)があると便利。冷たすぎず、寝かせたままひんやりさせてあげられます。
こんなときは受診を|危険なサイン
🚨 すぐに受診・救急を考えるサイン
- 生後3か月未満の赤ちゃんの発熱
- ぐったりして反応が鈍い、視線が合わない
- 水分がまったく取れない/おしっこが半日以上出ない
- けいれんを起こした、5分以上続く
- 呼吸が苦しそう、顔色が悪い
- 発熱が5日以上続く
まとめ|「熱の数字」より「子どもの様子」で判断
- 解熱剤は治す薬ではなく、楽にする薬
- 使うのは「38度以上+つらそう」が目安(38.5度は絶対ではない)
- 次に使うまで最低4〜6時間あける
- 飲み薬と座薬は同じ成分、重ねて使わない
- 大人の薬・アスピリンは使わない
熱が高いとつい焦ってしまいますが、いちばん大切なのは体温計の数字より子ども本人の様子です。元気に水分が取れていれば、慌てなくて大丈夫。お子さんが少しでも楽に過ごせるよう、上手に解熱剤を活用してくださいね。
※本記事は一般的な情報をまとめたものです。お子さんの症状には個人差があり、解熱剤の量や使い方は年齢・体重によって異なります。最終的な判断は必ずかかりつけの医師・薬剤師にご相談ください。
参考文献・出典
- 日本小児科学会 こどもの解熱薬の使用に関する見解
- アセトアミノフェン製剤 添付文書(医療用医薬品情報)
※本記事は上記の公的機関・学会・研究等を参考に、薬剤師がわかりやすくまとめたものです。
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