子どもの坐薬の切り方・入れ方|出てきたら?ダイアップと解熱の順番まで薬剤師ママが解説

子どもの坐薬の切り方・入れ方・ダイアップの順番を薬剤師ママが解説する記事のアイキャッチ|坐薬とはさみを持つ白衣の薬剤師ママとおむつ替えの赤ちゃん、育児×薬剤師ラベル付き くすり・薬の知識

🌿 この記事を読むとわかること

  • 坐薬は「どんなとき」に強い?(飲めない・吐くときの味方)
  • 切り方(とがった方を残して”ななめ”に)
  • 入れ方(向き・深さ・すぐ出さないコツ)
  • 入れてすぐ出てきたら?/便と一緒に出たら?
  • 解熱の坐薬とダイアップ(けいれん止め)の順番——ここ大事

高熱で吐いてしまって薬が飲めない、寝ていて起こせない……そんなとき頼りになるのが坐薬。でも「どう切るの?」「どっちの向き?」「すぐ出てきちゃった!」と、いざとなると迷いますよね。薬剤師ママの私(さな)も、初めての坐薬は手が震えました。

この記事では、坐薬の切り方・入れ方・トラブル対処、そして意外と知られていない「けいれん止め(ダイアップ)と解熱坐薬の順番」まで、わかりやすくまとめます。

坐薬ってどんなときに使う?

坐薬はお尻(肛門)から入れて、腸から吸収させるお薬。吐いていて飲めない・薬を嫌がって飲めない・寝ているときでも使え、比較的すぐ効くのが強みです。子どもによく出るのはこの3つ。

  • 解熱の坐薬(アンヒバ・アルピニーなど=アセトアミノフェン)…熱でつらいときに
  • 吐き気止めの坐薬(ナウゼリンなど)…胃腸炎などで吐くときに
  • けいれん止めの坐薬(ダイアップ=ジアゼパム)…熱性けいれんの予防に

坐薬の切り方|「とがった方を残して、ななめに」

「1回○個」ではなく「○分の1」と指示されたら、切って使います。コツはこれ。

  • 包装(フィルム)ごと、清潔なはさみやカッターで切る
  • とがった先の方を残し、平らなおしり側をななめに切り落とす(=入れるときは、切っていない”とがった方”を使う)
  • 指示された分量に合わせて(半分/3分の1 など)
  • 冷たいと割れやすいので、少し常温に戻すか手で軽く温めてから

💡 なぜ「とがった方」を使うの?
切った断面(平らな側)はデコボコで入れにくく、粘膜を傷つけることも。もともと丸くとがっている先端のほうが、スッと入ります。切り落としたおしり側は使わず処分を。

坐薬の入れ方|向き・深さ・出さないコツ

  • ① 手を洗う。おむつ替えの体勢で、あおむけで両足を持ち上げる(大きい子は横向きでひざを抱える姿勢でも)
  • ② 先端を少し濡らす。ワセリン・ベビーオイル・水などを先につけるとすべりよく入ります
  • ③ とがった方から、肛門へ。大人の指の第一関節くらいまで、ぐっと奥に入れる(浅いと出てきます)
  • ④ 30秒〜1分ほど、おしりの穴をティッシュで軽く押さえる。すぐ出てこないように
  • できればうんちを済ませてから。入れた直後に泣きすぎると出やすいので、落ち着かせて

出てきちゃった!どうする?

タイミングどうする?
入れてすぐ・形が残っているそのまま入れ直す(まだ吸収されていない)
10分以上たって・溶けている/便と一緒にかなり吸収済み。追加せず1時間ほど様子見
便の中に”坐薬の形”がそのままほぼ効いていないので、予定量の半分を、もう一度(迷えば薬局へ)

坐薬を入れたあとの過ごし方

  • 入れたあとは、30秒〜1分ほど、指やティッシュで肛門を軽く押さえておくと、出てくるのを防げます(小児科クリニックの解説)
  • できれば排便のあとに入れましょう。排便のときに、坐薬が一緒に出てきてしまうのを防げます(倉敷成人病センター)
  • 冷蔵庫から出してすぐだと、冷たさが刺激になって便意をもよおすことがあります。数分、室温に戻すか、手で温めてから使いましょう
  • 解熱の坐薬は、入れて30分ほどしたら体温を測って、効き目を確かめます

なお、出てきたときの目安は、医療機関によって少し違います。「挿入後10〜15分以内で形が残っていれば入れ直し、時間がたって溶けていたり、便と一緒に出たりしたら追加しない」というところが多く(小児科クリニックの解説)、迷うときは、薬局や医師に確認してください。

⭐ 解熱の坐薬とダイアップ、「順番」に注意

熱性けいれんの予防にダイアップ(けいれん止め)と、熱の解熱坐薬を、両方使うことがあります。このとき順番がとても大事です。

✅ ダイアップ(けいれん止め)を先に。30分以上あけてから、解熱坐薬。
逆に油分の多い解熱坐薬を先に入れると、ダイアップの吸収が悪くなり、けいれん予防の効果が下がるおそれがあります。※解熱剤が「飲み薬」なら、この順番は気にしなくてOK(同時でも大丈夫)。

ダイアップの基本的な使い方(一般的な目安)

熱性けいれんの予防に使うダイアップは、一般に、37.5℃以上の発熱に気づいたら1回目、38℃以上の熱が続いていれば8時間後に2回目を入れます。ただし、実際の使い方は、処方した医師の指示を最優先にしてください。くわしくは、熱性けいれんの記事を参考にしてください。

解熱薬は、熱性けいれんの再発を予防する目的では使いませんが、発熱によるつらさをやわらげるために、ほかの発熱性疾患と同じように使ってよいとされています(熱性けいれん診療ガイドライン2023)。

使うときの注意

  • 冷蔵庫で保管(体温で溶けるように作られているため。常温で柔らかくなったら冷やす)
  • 解熱坐薬は4〜6時間以上あけて。飲み薬の解熱剤と両方は使わない(どちらか一方)
  • 量は体重で決まるので、指示された分量を守る
  • ダイアップは眠気・ふらつきが出ることがあるので、使ったあとは転倒・階段に注意

保管方法と使用期限|薬によって違います

坐薬は、体温でとけるように作られているので、保管には注意が必要です。ただし、薬によって保管方法が違います。

どれか迷ったときは、薬の説明書か薬局で確認しましょう。使用期限は、適切に保管されていれば、製造から3年とされているものが多いです(小児科クリニックの解説)。ただし、薬局で調剤された薬は、薬ごとに使用期限が異なるので、古い坐薬を使う前には、薬剤師に確認してください。

嫌がるとき・うまく入れるコツ

  • 「おむつ替えするよ〜」の流れで、さっと。身構えさせない
  • 大きい子は横向きでひざを抱える姿勢だと入れやすい
  • 入れたあと「上手だったね」とすぐ褒める。次からの抵抗が減ります
  • どうしても入らない・出てしまうときは、無理せず薬局・小児科に相談

坐薬のよくある疑問Q&A

Q. 下痢をしているときは?

下痢のときは、入れた坐薬が便と一緒に出てしまいやすく、効果が安定しないことがあります。そのようなときは、飲み薬への変更を、医師や薬剤師に相談してみましょう。

Q. 解熱の坐薬を入れても、熱が下がらないときは?

入れて30分ほどしたら体温を測りますが、熱が少し下がるだけでも大丈夫です。下がらないからといって、すぐに追加せず、次に使うまでの間隔(4〜6時間以上)は必ず守ってください。ぐったりしている、水分がとれない、呼吸が苦しそうなときは、早めに受診しましょう。

Q. 冷たい坐薬をそのまま入れてもいい?

冷たさが刺激になって、便意をもよおしたり、入れた直後に出てしまったりすることがあります。数分、室温に戻すか、手で軽く温めてから使いましょう。

薬剤師ママの結論

坐薬は、吐いて飲めない・寝ているときの強い味方。切るときは包装ごと、とがった方を残してななめに。入れるときはとがった方から、指の第一関節まで奥に、数秒押さえる。すぐ形のまま出たら入れ直し、溶けて出たら追加せず様子見です。そしてけいれん止めのダイアップは解熱坐薬より”先”に、30分あけて——ここだけは覚えておいてください。冷蔵保存・体重ぶんの量・4〜6時間以上あけるを守れば安心。迷ったら、遠慮なく薬局に電話してくださいね。

※本記事は一般的な情報です。実際の使い方・分量は、処方した医師・薬剤師の指示に従ってください。参考:各医療機関・薬剤部による坐薬の使い方の解説、ダイアップ坐剤の製品情報 ほか。

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参考文献・出典

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