子どもの中耳炎|耳を痛がるサイン・抗生剤はすぐ使う?夜の応急ケアを薬剤師ママがガイドラインで解説

子どもの中耳炎の耳を痛がるサイン・抗生剤・夜の応急ケアを薬剤師ママが解説する記事のアイキャッチ|耳を押さえる子に寄り添う白衣の薬剤師ママ、育児×薬剤師ラベル付き 子どもの病気・感染症

🌿 この記事を読むとわかること

  • 子どもが中耳炎になりやすい理由(3歳までに約8割)
  • 言葉にできない赤ちゃんの中耳炎のサイン
  • 抗生剤はすぐ使わない?——今のガイドラインの考え方
  • 夜中に耳を痛がるときの家庭での応急ケア
  • 受診の目安/くり返す・長引くとき(滲出性中耳炎)

夜中に突然、子どもが「耳が痛い!」と泣き出したり、赤ちゃんが理由もなくぐずって耳を触ったり……。中耳炎は、子育て中に本当によく出会う病気です。薬剤師ママの私(さな)も、わが子の夜中の耳の痛みに何度も付き合ってきました。

この記事では、中耳炎のサイン・「抗生剤はすぐ使う?使わない?」という最新の考え方・夜の応急ケア・受診の目安を、小児急性中耳炎診療ガイドラインをもとに整理します。

中耳炎とは?|「かぜのあと」に多い理由

中耳炎は、鼓膜の奥「中耳」に、細菌やウイルスが感染して炎症を起こす病気です。かぜをひくと、鼻やのどの菌が、鼻の奥と耳をつなぐ「耳管(じかん)」を通って中耳に入りやすくなります。だから「かぜ・鼻水のあと」に中耳炎になることが多いんです。

子どもが大人よりなりやすいのは、耳管が短く・太く・水平に近いため、菌が中耳に届きやすいから。3歳までに約80%の子が一度は経験し、好発は生後6か月〜2歳ごろ。成長とともに耳管が発達して、かかりにくくなります。

症状・気づき方|赤ちゃんは「言えない」サインで

  • 耳の痛み(中耳炎の約7割)、発熱
  • 耳だれ(耳漏)…鼓膜が破れて膿が出たサイン。約1割で起こります
  • 聞こえにくい・耳が詰まった感じ

👶 まだ話せない赤ちゃんのサイン
耳をさわる・引っぱる/・理由のわからないぐずり・夜泣き/・機嫌が悪い・寝つけない/・かぜのあとに急に発熱。
「かぜのあとに、なんだか耳を気にして機嫌が悪い」ときは、中耳炎を疑って受診の候補に。

抗生剤はすぐ使う?|今は「軽症は様子を見る」

「中耳炎=すぐ抗生剤」と思われがちですが、今のガイドラインの考え方は少し違います

重症度基本の方針
軽症すぐ抗生剤を使わず、痛み止めで様子を見ることが多い(2〜3日)。自然によくなることも
中等症〜重症抗生剤(アモキシシリン=ペニシリン系が第一選択)。効かなければ別の薬に変更

これは不要な抗生剤を減らして、耐性菌を防ぐための考え方。「抗生剤が出なかった=ちゃんと診てもらえた」ということもあります。痛みや熱にはアセトアミノフェン(カロナール等)を使ってOK。重症例や、乳児で改善しないときは、鼓膜を少し切って膿を出す「鼓膜切開」をすることもあります。

夜中に耳を痛がるときの応急ケア

  • 痛み止めを使う…手持ちのアセトアミノフェン(カロナール・座薬)や子ども用の痛み止めでOK。我慢させなくて大丈夫
  • 痛むほうの耳を冷やす…冷たいタオルなどで軽く冷やすと楽になることも
  • 少し水分を飲ませて、落ち着かせる

💡 激しい痛みは「30分〜1時間」でおさまることが多い
夜中の強い耳痛も、痛み止めと時間で落ち着くことがほとんど。耳だれ(耳漏)が出たら、鼓膜から膿が抜けて圧が下がり、むしろ痛みは軽くなるサインです。あわてず、翌朝に耳鼻科・小児科を受診すれば大丈夫なことが多いです。

受診の目安|こんなときは早めに

  • 強い痛みが続く・痛み止めでも泣き止まない
  • 高熱が続く・ぐったりしている
  • 耳だれが出た(翌朝でOKなことが多いが、受診を)
  • 耳のうしろが赤く腫れる・押すと痛がる(まれに乳様突起炎という合併症のサイン)→ 早めに受診
  • 症状がくり返す・なかなか治らない

くり返す・長引くとき|「滲出性中耳炎」との違い

急性中耳炎のあとに、痛みや熱はないのに、中耳に水(滲出液)がたまって聞こえにくくなるのが「滲出性中耳炎」です。痛くないので気づきにくく、「テレビの音が大きい」「呼んでも反応がにぶい」「返事が遅い」が発見のきっかけになることも。多くは自然に治りますが、長引くと聞こえ=ことばの発達に影響することがあるため、経過を診てもらいます。

短期間に何度もくり返す「反復性中耳炎」では、鼓膜にチューブを入れて空気を通す治療(鼓膜換気チューブ)を検討することもあります。

予防|いちばんは「鼻水ケア」

  • 鼻水をためない…こまめに鼻をかむ・鼻吸い器で吸う。鼻の菌が耳に回るのを防ぎます
  • 受動喫煙を避ける(たばこの煙は中耳炎のリスク)
  • 予防接種(肺炎球菌・ヒブワクチン)を受ける
  • 可能なら母乳も予防に働くとされます

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薬剤師ママの結論

中耳炎は「かぜ・鼻水のあと」に多く、3歳までに約8割の子が経験する、とても身近な病気です。赤ちゃんは耳を触る・理由のないぐずりがサイン。今は”軽症はすぐ抗生剤を使わず、痛み止めで様子を見る”のが基本で、抗生剤が出なくても心配いりません。夜中の強い痛みは痛み止め+冷やすで落ち着かせ、耳だれが出たら翌朝受診でOKなことが多いです。予防の要は鼻水ケア。くり返す・聞こえが気になるときは、耳鼻科でしっかり診てもらいましょう。

※本記事は一般的な情報です。診断・治療は医師にご相談ください。参考:小児急性中耳炎診療ガイドライン2024年版(日本耳科学会ほか)、各医療機関の解説。

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